高校生や大学生になりアルバイトを始めると、学校生活では見えなかった自分の弱みが浮き彫りになり、辛い経験をすることもあるでしょう。
- 他の人がミスらないようなことでもなぜかミスしてしまう
- 同じミスを何度もしてしまう
- 自分より年下に怒られた…
これは全て私の経験談だ
私、脳筋は大学時代に20近いアルバイトを経験してきました。
その経験をもとにこの記事ではADHDの特性を持つ方が避けるべきアルバイト、向いているアルバイトの説明や、どのように向いているアルバイトを探していくか、アルバイトでのエラーをどのように減らしていくかなどをお伝えしていきます。
大丈夫、私がついている
※ひとくくりでADHDと言っても人それぞれ症状は異なり、得意なこと、苦手なことも変わります。私の経験談は参考程度に見ていただければ幸いです。
ADHDとは?
ADHD(注意欠陥・多動性障害:Attention Deficit Hyperactivity Disorder)は、発達障害の一つで「注意欠陥」「多動性」「衝動性」などの特性が見れらます。
各々の特性は以下のような症状を招きます。
- 注意欠陥
- 話を聞き逃してしまう
- 時間管理が苦手
- 忘れ物
- 多動性
- 落ち着きがない
- デスクを頻繁に離れる
- 衝動性
- 思いつきで行動してしまう
- 他人の話を遮る
- 感情の起伏が激しい
このような症状により、ADHDの場合アルバイトで働く際に困難なことが多くなってしまいます。
ADHDのアルバイトでの悩み【実体験】
ここでは俺のミスを惜しげなく後悔するぞ
その時は大変だったが振り返れば笑い話だ
マルチタスクが苦手
ADHDの方はマルチタスクが苦手です。
お皿を下げているタイミングで複数のテーブルからオーダーの声がかけられた時に情報の処理ができなくなり、結局どこのテーブルから声がかかっていたんだっけ?となりました。
そして声がかかったテーブルにオーダーをとりにいくのをいくつか忘れてしまい、お客さんに怒られました。
手が塞がってる時に、何回も声かけられたら忘れちゃうよね、仕方ないよね
ケアレスミスがなくならない
ADHDの方はケアレスミスも多くなりがちです。
私は作業の漏れもよくありました。
朝のオープン作業をしていた時があったのですが、ほぼ毎回何かしらのタスクの抜け漏れがありました。
開店後に気がつき接客と並行しながら大急ぎでオープン作業の残りを進める羽目に、、ということが多々ありました。
あと、一度忘れてしまったタスクは忘れることが強化されてしまって、なぜかより忘れやすくなるという悪循環も発生しました。
タイムカードの切り忘れ常習犯とは俺のことだ
よく分からないミスもする
以下のような流れで注文を管理している居酒屋一時期働いていました。
付箋でオーダーをとる→キッチンに付箋を渡し作ってもらう→食べ物と同時に付箋を返してもらい伝票に貼り付ける→付箋からお会計金額を勘定する
自分は入りたてだったこともあるのですが、キッチンから返してもらった付箋を本来の卓とは異なる伝票に貼り付けてしまいました。
どうなったかは皆さんのご想像にお任せします。
あの時の女子高生のガチギレの顔は今思い出しても冷や汗が出るもんだ
ADHDに向いていないアルバイト
ここではADHDの方に向いていないアルバイトの特徴と、具体例について解説していきます。
向いていないアルバイトの特徴
マルチタスクが要求される
ADHDの人にとってマルチタスクは大敵です。
同時に複数のタスクが存在し、優先順位をつけながら臨機応変に対応していく必要があるアルバイトは向いていないと考えられます。
スピードが要求される
マルチタスクが求められる作業では大体と言って良いほどスピードも求められますよね。
スピードが求められるタスクも自分にとっては難しいものでした。
マルチタスク×スピードが求められるアルバイトは身を滅ぼします。
ミスの影響範囲が大きい(カバーする構造がない)
アルバイトの場合はミスが許されない重要な作業を行うことは少ないかもしれませんが、お金を数えたりと言った作業はあるかもしれません。
このようにミスが許されず、影響範囲が大きいようなタスクは向いていない可能性が高いです。
ダブルチェックなどミスをカバーする構造があれば良いのですが、個人経営の飲食店だとそのような仕組みもない、と言ったこともあるかと思います。
具体的には【実体験も交えて】
飲食店(特に居酒屋)
飲食店での仕事はマルチタスク求められまくりの上、素早く対応しなければクレームにもつながってしまうということでADHDの方にとっては向いていないと考えられます。
特に居酒屋は1テーブルあたりのオーダー回数も通常のレストランより多くなり、よりスピード感が求められることもあり、自分にとってはかなり難易度が高かったです。
俺は大学1年で飲食店で働くことに向いていないと悟った
コンビニ店員
業務の種類が多く、スピード感も求められるという点でコンビニ店員も向いていないアルバイトであると考えられます。
また、レジ打ちや在庫数の確認など数値を扱うため、重要でミスが許されないタスクもあります。
明らかに向いていなかったから、やったことすらないがな
ADHDに向いているアルバイト
ここではADHDの方に向いているアルバイトの特徴と、具体例について解説していきます。
向いているアルバイトの特徴
シングルタスクで進められる
ADHDの人にとって、同時に複数のタスクをこなすことは難しく、負荷が大きくなってしまいます。
一つの作業を集中的に行うことができるようなアルバイトは向いていると考えられます。
スピードに追われない
スピード感を持って作業をこなす必要がある場合は、それがプレッシャーとなり、ミスが発生する原因にもなります。
仕事に比較的スピードが求められないアルバイトであれば落ち着いてタスクをこなすことができます。
一人で進められるものが多い
ADHDの場合、多くの人が周りにいると気になってしまうことから、注意散漫となることがあります。
そのため、特定の作業を一人で進められるアルバイトは負荷も比較的少なくなります。
作業にある程度の変化がある
複数のタスクを行うことを苦手とする一方で、ADHDは飽きっぽさもあるため、同じ作業をずっと続けていくのは苦痛となってしまう場合があります。
一つ一つの作業はシングルタスクで、作業の種類にはバリエーションがあるようなアルバイトは向いていると考えられます。
具体的には【実体験も交えて】
塾講師(個人塾)
塾講師には様々な業務があるものの、全てが並列でスピード感を持って進むわけではないので、自分にとっては比較的負荷の少ないアルバイトでした。
また、授業ごとに扱う内容が異なるため、作業にある程度の変化があり、飽きるということもありませんでした。
俺の教え子たちは元気にしているだろうか
イベントスタッフなどの単発バイト
イベント会場でチケットを確認したり、監視をしたり、列整備を行うイベントスタッフ。
一人一人に異なる役割が与えられるので、作業は基本的に一つのことに集中する形になります。
また、現場ごとに異なるタスクが割り振られるので、作業の変化もありました。
学生の時は土日で30時間くらいイベントスタッフしてる時もあったな
まとめてガッツリ稼ぎたい人におすすめだ
デリバリーのドライバー
記事によってはデリバリーのドライバーが推奨されていない場合もありますが、自分にとっては向いてたアルバイトのうちの一つです。
一人で進められる上、マルチタスクにはならないため、タスクとしては負荷が少なかったです。
ただ、運転のミスは重大事故につながりかねません。
運転に対する不安があるのであれば、避けるのが吉です。
1日200Kmくらい爆走してたな
データの打ち込み
シングルタスク、スピードも求められない、一人で進められるということでデータの打ち込みも負荷の少ないアルバイトでした。
ただ、打ち込みの種類によってはミスの影響範囲が大きかったりする場合もあるので、その部分は注意が必要です。
向いているアルバイトの探し方
ここでは自分が大学生時代に実践していた向いているアルバイト、負荷の少ないアルバイトを探す方法をお伝えします。
色々なアルバイトを経験してみる
まずはいろいろなアルバイトを経験してみることです。
ADHDの中でも人それぞれどの特性が強いのかは異なるため、得意不得意は変わってきます。
似通ったタスクではなく、できるだけタスクのタイプが異なるアルバイトを経験してみることが重要です。
例えば、カフェと居酒屋ではなく、カフェと塾講師、イベントスタッフ、ドライバーといったようにタスクのタイプが違うと考えられるものを経験してみましょう。
最近であれば、隙間時間で働く手段も増えてきているため、いろんな種類のアルバイトも単発でできるようになってきているかと思います。
どんな業務が自分にとって難しいかを分析する
様々な種類のアルバイトを経験したら、どのような業務が自分にとって難しかったかを分析します。
ざっくりで構いません。なんか難しかったなと感じたタスクを洗い出していきます。
粒度も適当で構いません。自分はハンディでオーダーを取ること、スピード感を持って優先順位をつけながら作業を進めていくことなど、とにかく思いつく限り紙に書いたりしていました。
次にアルバイトを探すときは、それらの業務がない、または少ないと考えられるところに申し込むようにし、自分の苦手な作業が占める割合を少しづつ減らしていきます。
これは逃げなんかじゃないぞ
自分が輝ける場所を探しているんだ
好きなこと・興味を持てることを探す
これは苦手なタスクを洗い出して避けるアプローチとは異なりますが、好きなこと・興味を持てることを持ち、それを元にアルバイトを探すのもおすすめのアプローチです。
ADHDの場合、興味・関心がないことに対して集中することは難しいとされてます。
そのため、苦手なタスクがあることをある程度許容した上で興味があるアルバイトへの応募も行なっていました。
例えば自分は映像編集や撮影のスキルに興味があったため、結婚式場のカメラマンのアルバイトを行なっていました。
カメラマンのアルバイトは、目まぐるしく進む式、披露宴の中で決められたカットを撮影する必要があり、マルチタスク、スピード感、メインカメラマンなどとインカムで話しながら臨機応変に対応することが求められるためかなり負荷が高い作業でした。
ですが自分の中で興味のある分野だったため、比較的楽しんで作業することができました。
このように自分が集中して取り組めそうなアルバイトを探すというアプローチも一つの手です。
もしつまづいたら、その都度分析を進めていけば大丈夫だ
アルバイトとのうまい向き合い方
ここではADHDの自分がアルバイトでできるだけ迷惑をかけないようにしていた取り組みをお伝えします。
メモをとる
20近くののアルバイトの経験から自分に言いたいことは「自分の記憶を信じてはいけない」ということです。
小さいことでもタスクを覚える時はメモをするようにしていました。
メモをとっていれば、オープン業務のやり忘れもなくなっていたかもしれません。(分かりませんが…)
このようにメモを取ることでタスク忘れを回避することができますが、実はもう一つ効果があります。
それは頑張っている感じが出ることです。
頑張っている人のミスは許したくなりますよね…?
まあまあ、あいつも頑張っていることだし許してやろうじゃないか
愛想は結構大事
愛想良くするのは結構大事です。
ふざけているようで本気です。
自分の場合、心理的に緊張していると注意が散漫になりやすくミスが増えてしまいます。
いち早く自分の特徴を理解してもらい、心理的に落ちつくことでミスも減らせますし、メンタルも維持されます。
どうやったら愛想良くなるかって?
大声であいさつすればとりあえず大丈夫だ
まとめ
今回はADHDの特性を持つ方が避けるべきアルバイト、向いているアルバイトの説明や、どのように向いているアルバイトを探していくか、アルバイトでのエラーをどのように減らしていくかなどをお伝えしました。
みなさんが伸び伸びと働けるアルバイト先が見つかることを祈っています。
相談がある場合は、こちらのアカウントにご連絡いただければ対応いたしますので、お気軽にご連絡ください。