- DAOってなに?
- DAOにはどんなメリットがある?
- 有名なDAOにはどんなのがあるの?
ブロックチェーンの技術により、どうやらDAOと呼ばれるものが注目を集めているらしい…
もうアルファベット3文字はやめていただけませんか…
DAOってなんだお?
今回の記事はそのような方に向けたものなっております。
こちらの記事を読むことでDAOとはなんなのかといった基礎的な内容から、過去のDAOの事例や参加方法といった実践的な知識も得られるようになっています。
DAOとは?
DAO(Decentralized Autonomous Organization、分散型自律組織)、はブロックチェーン技術を活用した新しい形の組織です。
従来の組織や企業がトップダウンで意思決定を行うのに対し、DAOでは全ての参加者が平等に意思決定プロセスに関わることができます。
もう少し丁寧に説明していただけるかしら💢
では理解を深めるべく、以下2つの観点からDAOについて見ていきましょう。
- DAOの起源と発展
- DAOと従来の中央集権型組織
DAOの起源と発展
DAOという概念は、実は仮想通貨ビットコインから生まれました。
ビットコインは非中央集権的に稼働しており、既存の中央銀行のような管理者を持たずに通貨としての機能を果たしています。
このビットコインのように適切なルールがプログラムで担保されているのであれば、非中央集権的な組織が作れるのではないか?という考えがDAOの始まりです。
そしてDAOの概念はイーサリアムの登場で本格的に注目を集め始めました。
理由はイーサリアムが契約のルールをプログラムで構築することができるという特徴(スマートコントラクト)を持っていたためです。
DAOの概念が初めて形になったのが、イーサリアムのプラットフォーム上に構築されたプロジェクト「The Dao」でした。
The DAOは投資先をメンバーの投票で決定し、利益が上がれば配分されるというシステムのDAOです。
当時The DAOには非常に注目が集まっており、約1億5000万ドル相当のイーサリアムが集められました。
しかし、その後”The DAO”は大規模なセキュリティ攻撃を受け、約6000万ドル相当のイーサリアムが不正に引き出される事件が発生しました。
この攻撃は、スマートコントラクトのコードに存在した脆弱性を悪用したものでした。
「The DAO」事件以降も、DAOの概念は発展を続けています。
技術的な安全対策やガバナンス構造の改善により、さまざまな分野でのDAOの実践例が増えています。
現在では、芸術、エンターテイメント、社会的プロジェクトなど、多岐にわたる活動がDAOによって支えられています。
DAOと従来の中央集権型組織
ここではDAOと従来の中央集権型の組織を比較することで、DAOについてみていきましょう。
キーポイントは「誰が決めるのか」です。
中央集権型の組織はその名の通り、権力が特定の人に集中している組織のことを指します。
中央集権型の組織は私たちの生活にとても馴染みがあります。
例としては会社などが挙げられます。経営方針や重要な意思決定は、社長や役員によってなされます。
一方、DAOでは特定の人が権力を持つのではなく、組織にいるすべての人に決定権(投票権)があります。
大人数の組織で全員に決定権があると厄介なので、基本的には中央集権型の組織となります。
このようにDAOは意思決定が民主化された組織であると言えます。
キーポイント「誰が決めるのか」
中央集権型の組織 :社長や役員などの特定の人物に決定権がある
DAO :組織にいるすべての人に決定権(投票権)がある
DAOの技術的基盤
ここではDAOの概念を反映させるために必要な技術的な部分について解説していきたいと思います。
ブロックチェーン
DAOの基盤となるのはビットコインにも用いられているブロックチェーンと呼ばれる技術です。
デジタル台帳技術の一種で、暗号技術によって、取引履歴を1本の鎖のようにつなげ、分散型ネットワークを構成する複数のコンピューターで同期して記録・管理します。
ブロックチェーンでは情報のブロックをチェーン状に連結しているため、一度記録されたデータは後から改ざんすることが非常に困難です。
ブロックチェーンにより、DAOでは取引記録や意思決定の過程が透明かつ安全に保たれます。
スマートコントラクト
スマートコントラクトは、あらかじめ定められた条件が満たされると自動的に取引や契約が実行されるプログラムです。
例えば、投票プロセスが終了すると自動的に最も票を集めた提案が承認されるといったようなシステムです。
スマートコントラクトにより人間の介入を最小限に抑えつつ、透明で公平な決定が保証されるため、DAOの運営効率が大きく向上します。
ガバナンストークン
ガバナンストークンは、DAOメンバーが組織の意思決定プロセスに参加するための鍵となるデジタル資産です。
これらのトークンは、投票権や提案権を持つことが多く、トークンの保有量に応じてその影響力が決まります。
トークンホルダーは、新しい規則の導入、資金の配分、その他の重要な決定について投票することができます。
ガバナンストークンの導入によって、DAOは分散型のままで自律的なガバナンスを実現し、すべての参加者が組織の未来を形作る過程において平等な権利を持つことができます。
DAOのメリット・課題
次にDAOのメリットと課題について解説していきます。
DAOのメリット2つ
ここではDAOのメリットについて見ていきます。
- 透明性が高い
- 自由度が高い
透明性が高い
従来の中央集権的な組織では、組織内の立場によって得られる情報量が異なる情報の非対称性がありました。
しかし、ブロックチェーン技術に基づくDAOではすべての取引記録が改ざんが困難な台帳に保存され、誰もがその情報にアクセスすることができます。
このように、DAOは透明性が高い組織の形であると言えます。
自由度が高い
DAOには従来の組織における、社長やリーダーといった組織の管理者が存在しないため、全ての参加者の立場は平等となります。
そのため、参加者は自由に発言したり、投票を行うといったことが可能になります。
自由度が高いことにより、参加者のモチベーション向上や新しいアイデアを得る機会の創出につながります。
DAOの課題3つ
ここではDAOの課題について見ていきます。
- 意思決定に時間がかかる
- 法整備が整っていない
- セキュリティ面にリスクがある
意思決定に時間がかかる
組織内の全員が意思決定に参加できるというのがDAOの良さである一方、その分意思決定に時間を要するというデメリットがあります。
素早い意思決定が必要になる場合には、特定のメンバーだけで意思決定を行う従来の中央集権的な組織の方が向いているといえます。
法整備が整っていない
DAOは比較的新しい概念であるため、既存の法律で管理ができない事象が発生する場合があります。
このため、DAOを運営する上での法的責任や義務が不明瞭であり、将来的な規制変更のリスクも存在します。
セキュリティ面にリスクがある
DAOはブロックチェーン技術を用いているため改ざんが難しく、データの信憑性は高いと言え、セキュリティ面のリスクは存在します。
実際、過去にThe DAOと呼ばれる組織ではDAO内の機能の脆弱性を付かれ約52億円が盗まれる事件が発生しています。
代表的なDAO5選
ここでは国内外の代表的なDAOを5つ解説していきます。
- ビットコイン
- Nouns DAO
- Maker DAO
- NinjaDAO
- 和組DAO
ビットコイン
ビットコイン自体は直接DAOと呼ばれるわけではありませんが、その運営方法にはDAOの概念が根底にあります。
ビットコインは世界で最初に広く認知された暗号通貨であり、ブロックチェーン技術によって支えられています。
取引の承認や記録に中央機関は存在しないにも関わらず、全てのプロセスがネットワーク参加者によって分散して行われ、世界中で運用されています。
分散型自律組織の可能性を投げかけた重要なプロジェクトであるといえます。
Nouns DAO
Nouns DAOはNounsと呼ばれるNFTのホルダーで構成された組織です。
Nouns DAOのルールは以下の通りになります。
- 毎日1体のNFTが生み出され、オークションによって販売される
- この時の購入金額はDAO全体で保有しているウォレットに全てプールされる
- 一定数以上のNFTを保有している人はプールされた資金の使い道を提案することができる
- 提案に対してはNFT一体に付き1票の投票が可能となる
- 可決された場合、提案額が提案者に送られる
このようにみんなで集めた資金の使い道をコミュニティ全員参加の投票によって決めるという、非常に民主主義的なDAOです。
NinjaDAO
出典:NinjaDAO
NinjaDAOはイケハヤ氏が創設した日本最大級のDAOです。
YouTubeコンテンツの開発、メタバースのゲーム開発、小説、漫画など、キャラクターのCryptoNinjaを盛り上げるためのさまざまなプロジェクトを行なっています。
和組DAO
出典:和組DAO公式サイト
和組DAOはWeb3の最新情報を共有・議論している組織です。
Web3全般(DeFi, DAO, Crypto, NFT, Blockchain, Metaverseなど)のトピックを対象に初心者から起業家まで幅広く所属しています。
和組DAOは「日本をWeb3立国へ」という目的を持っており、日本のWeb3市場の発展を目指しています。