今日もユータが悩みを抱えて研究所にやってきました。
最近、仕事が忙しくて十分に睡眠が取れてないし、日中はめちゃ眠い…
睡眠は肉体的にも精神的にも健康と密接に関わっているのじゃ。
今日は睡眠の重要性と良い睡眠をとるための具体的なアクションプランを教えよう
この記事はこんな方におすすめです。
- 睡眠の重要性を知りたい!
- 健康に良い睡眠の取り方が知りたい!
睡眠と健康の関係性は?
睡眠は身体的な健康、精神的な健康のどちらとも関係しています。まず、睡眠が健康とどのような関係性を持っているのか、過去の研究の結果を見ていきましょう。
睡眠と健康に関する研究をいくつか見ていくぞい
身体的な健康との関係
肥満
私たちの体には食欲を増進する「グレリン」と食欲を抑制する「レプチン」というホルモンがあります。睡眠時間が短くなるとグレリンの分泌量が増え、レプチンの分泌量が減るという研究[1]の結果があります。そのため、睡眠を十分に取れていない場合肥満になるリスクが高くなります。
高血圧
アメリカで行われた研究で、十分な睡眠時間を確保できていない中高年が高血圧になる可能性が高くなるという結果が得られています。
33歳から45歳の578人を調査対象とし、睡眠時間と血圧の関係性を調べたところ、睡眠時間が短くなると、高血圧になる可能性が高くなっており、睡眠時間が6時間のグループに対し、睡眠時間が5時間のグループは高血圧になる割合が37%高くなっていました。
糖尿病
睡眠時間が糖尿病発症率と関連しているということも研究[3]から明らかになっています。
睡眠時間が7時間~8時間の人と比較し、5時間以下の人は糖尿病発症の可能性が2.5倍となり、睡眠時間が9時間以上の人の場合は糖尿病発症の可能性は1.8倍となります。
免疫力の低下
睡眠の不足は免疫力への影響を及ぼします。睡眠時間が5時間未満の人は睡眠時間が8時間の人と比較して肺炎になるリスクが1.4倍になるというデータがあります。
精神的な健康との関係
前頭葉の働きが鈍る
睡眠不足が慢性的に続いてしまうと、前頭葉の働きが鈍くなってしまうことが研究[4]により明らかになっています。
前頭葉は思考、やる気、感情、性格、理性に関する制御を行う部分であり、具体的には作業の効率が下がりケアレスミスが増えてしまったり、やる気が低下してしまう、怒りっぽくなってしまうなどの症状が出てしまいます。
うつ・統合失調症
1日に4時間半ほどしか眠らない睡眠不足が5日間続くと、うつ病や統合失調症などの患者に似た脳機能の変化がみられ、不安や混乱、抑うつ傾向が強まる[5]ことが明らかになっています。
毎日めっちゃ寝よ!!
身体的には肥満、高血圧、糖尿病といった生活習慣病のリスクを高めたり、免疫力の低下を招く。
精神的にはうつ、統合失調症のリスクを高め、ケアレスミスの増加ややる気の低下、ストレス耐性の低下を招く。
良い睡眠とは?
睡眠が大事なことはわかったけど、良い睡眠ってなんなのさ
良い睡眠は3つの要素で成り立っているんじゃ
良い睡眠は睡眠の量、質、リズムの3つの要素から成り立っています。
睡眠量
先ほど紹介した多くの研究でも、睡眠量と健康の関連性が示唆されていました。ただ、人によって必要な睡眠時間というのは異なるため誰にとっても7~8時間がベストであるとは限りません。日中活動している際に眠気を感じない、適正の睡眠時間を見つける必要があります。
睡眠の質
睡眠の量と同じく、睡眠の質は重要です。寝つきが良く、寝ている途中で目覚めることがなく、朝はスッキリ起きられるというのが質の高い睡眠の条件となります。
睡眠のリズム
睡眠の質を高めるためにも睡眠のリズムは関わってきます。夜更かしせず、規則正しく毎日同じ時間に睡眠をとることが重要です。
良い睡眠のための具体的なアクションプラン
ここからは良い睡眠をとるための具体的なアクションプランを紹介していくぞい
良い睡眠は、食事の見直したり、運動習慣を取り入れ、生活リズムを整えるなど、一朝一夕で得られるものではありません。ここでは良い睡眠を得るための記念すべき第一歩となるアクションプランをお伝えいたします。
それは、毎晩ベッドから手の届かない場所でスマホを充電することです。
寝る直前のスマホ利用は睡眠の時間を奪うだけでなく、睡眠の質まで下げてしまいます。我々がやることは、ただ一つスマホの充電を手の届かないところで行うことです。
睡眠の質を高めるべく、小さな一歩から始めていきましょう。
最後まで読んでいただきありがとうございました!
[2]Archives of Internal Medicine 2009; 169(11): 1055-1061
[3]Kita T., Yoshioka E., Satoh H., Saijo Y., Kawaharada M., Okada E., Kishi R.; Short sleep duration and poor sleep quality increase the risk of diabetes in Japanese workers with no family history of diabetes. Diabetes Care. 35 (2):313- 318
[4]Sleep Deprivation Impairs Object-Selective Attention: A View from the Ventral Visual Cortex
[5]Sleep debt elicits negative emotional reaction through diminished amygdala-anterior cingulate functional connectivity